伊平屋酒造所について

琉球王朝の建国起源とも言われる、沖縄最北端の離島ではぐくむ泡盛。

沖縄最北端の離島、伊平屋島に位置する「伊平屋酒造所」は、1948年(昭和23年)に島民によって組合として設立されました。蒸留される泡盛『照島』は、創業当初から変わらず島民から愛され育てられた島の酒です。
伊平屋島は人口約1,200人、面積約20㎢の小さな島ですが、山と水に恵まれ、5,000年以上も前から人々が暮らしています。稲作が盛んであり、琉球王朝の建国の起源とも伝えられています。
伊平屋酒造所の泡盛は、このような伝統と自然に恵まれた環境で、創業の中心となった保久村家の若い兄弟(兄:将貴・弟:貴洋)によって、昔ながらの製法を守りながら手作業で丁寧に造られています。

成り立ちは島の有志で始めた「伊平屋酒造組合」。

伊平屋島では、1000年以上も前から稲作を行い、関連する祭事では、女性の神職が製造したお神酒が大切に奉納されていました。1948年には、島の23人の有志が集まり、「伊平屋酒造組合」を設立しました。しかしその当時は、設備はまだ簡易的で、島内での販売のみが許可された限定酒造免許が伊平屋酒造所の始まりです。
先々代の保久村昌弘は、組合の初期から中心的な役割を担当していました。1972年に沖縄が本土復帰を果たすと、島内限定販売ルールが解除されることとなり、それに伴い1974年に保久村家が組合から事業を引き継ぎ、「伊平屋酒造所」として、泡盛の製造を続けることとなりました。

代表銘柄の『照島』は、琉球王朝の敬意と島の神話から拝借した由緒正しい名前。

代表銘柄の「照島(てるしま)」は創業当初から継承されている泡盛です。伊平屋島は琉球王朝時代「照しの島」と称されていました。この名前の由来は琉球王朝の起源に対する敬意の形容詞「てるしの」と、島に伝わる天の岩戸伝説の天照大御神の「照」から来きています。 伊平屋酒造所の「照島」は、そんな太陽神、太陽の恵みを受けて育まれた島そのものをイメージして名付けられました。 伊平屋酒造所の代表銘柄商品ラベルは、米と島と泡盛を表現しております。 このラベルは組合として始まった当時から変えておりません。 島の人みんなの酒だから、自分たちだけで変えることはしたくない。そうした想いからです。

伊平屋島について

那覇から車で2時間とフェリーで1時間半、辿り着きにくいからこそ価値のある島。

沖縄県の最北端にある伊平屋島は、全長12㎢、面積20㎢の自然豊かな島で、島の7割が山で覆われ、約1200人が住んでいます。那覇空港から北へ約117キロ、車と船を乗り継いで約半日かかる距離に位置しており、沖縄の中で最もアクセスが難しい有人離島の一つです。そのため、手つかずの自然や文化が生活の中に息づいているそんな島です。
沖縄では珍しく山と豊かな水があり、農業が盛んで、その歴史は6,000年前から始まっています。地理的、海流的な条件で多くの船が立ち寄り、沖縄でも古くから稲作を導入した地域として知られています。初代琉球王国国王、尚思紹王の祖父、屋蔵大主が生まれた地ともされ、琉球王朝時代には王朝の直轄地としての地位を持っていました。また、「てるしの島」という名前も持ち、太陽の神や尚家を象徴しています。この名前の通り、太陽の恵みを受けた美しい自然が今も続いています。
伊平屋島には、天照大神が隠れたと言われる天岩戸伝説のクマヤ洞窟や、壮大な姿の念頭平松と呼ばれる松の木など、自然が作り出す景勝地があります。これらの自然の美しさは訪問者を驚かせ、心を打つものがあります。

沖縄本島とは異なる古伝説があり、伝統行事も魅力。

伊平屋島は、沖縄県の一部として知られる美しい島で、その地形や風土は沖縄本島とは異なる特性を持っています。この島の起源は約3億年前にさかのぼり、泥岩などの地層が隆起して形成されました。沖縄の大陸棚の端、戦略的にも価値のある位置にあり、紀元前からの長い歴史が刻まれています。この古い歴史の中で、島民たちは数々の神話や伝承を紡ぎだしてきました。
中でも特に知られるのが、天照大御神が隠れたと言われる天岩戸伝説。この伝説は日本全国で知られる話ですが、伊平屋島にはそれを地域色豊かに受け継ぐ伝承があります。そして、この伝説とともに、海神祭や豊年祭といった伝統的な行事が今も島の生活の中心となっています。これらの行事は、島民の絆や共同体の大切さを示すものであり、訪れる者にとっても魅力的な風物詩となっています。

沖縄では珍しく山と豊かな水があり稲作も行われている。

伊平屋島は雄大な山々に囲まれ、その山々が生む清らかな水が島の生命線となっています。この清らかな水は、伊平屋酒造所の泡盛造りに欠かせない要素となっており、それが独特の深い味わいと香りを生み出しています。また、伊平屋酒造所は「しまぐみ」という泡盛に、伊平屋島で丹精込めて育てられたお米を使用しています。このお米は、島特有の土壌と気候、そして清らかな水に恵まれて育つため、その味わいは他に類を見ないものとなっています。このように、伊平屋島の自然が育む素材を使った泡盛は、自然の恵みが詰まった逸品と言えるでしょう。伊平屋酒造所は、この島の恵みを最大限に活かして、一杯一杯を大切に仕上げています。

泡盛全体の0.6%、80キロリットルしか存在しない沖縄県産の原料だけを使った希少なお酒。

伊平屋酒造所は、島の豊かなテロワールを活かした「テロワール泡盛」の製造に取り組んでいます。全国で製造されている泡盛のうち、沖縄県産の原料だけを使ったこの泡盛は全体のわずか0.6%、80キロリットルの希少な存在です。しかし、伊平屋島は米の島として知られ、その土地の特性を生かしたこだわりの酒造りは、伊平屋酒造所の特色です。特に、10年以上も前から島で栽培されてきた食用米「ちゅらひかり」(ジャポニカ米)を使用し、「しまぐみ」という泡盛を誇り高く製造しています。伊平屋島と伊平屋酒造所の結びつきを感じることができる、まさに地元の魅力を凝縮した泡盛をぜひ味わってください。

沖縄最北端の有人島

人口:1,213 人(2020 年10 月末現在)

面積: 20.66 kn!(野甫島1.06km)
村の特産品:米、酒、黒糖

村の木:クパ


伊平屋酒造所の再始動

2022年、先代の突然の逝去を受け、泡盛造りは先代の元で技術を磨いてきた長男・保久村将貴氏と次男・貴洋氏に引き継がれました。彼らは伝統の味を大切にしつつ、琉球泡盛テロワール米をはじめとした新しい挑戦を展開しています。経営の面では、以前からの良きパートナー、竹本氏が法人化を支え、保久村家と共に共同代表として営業を強化しています。この3名、全員が30代という若さで、新しい風を吹き込みながら新たなスタートを切っています。

働く人たちの紹介

  • 保久村 政代
    代表取締役社長
    先代、保久村昌章の配偶者として長年伊平屋酒造所を支えてきた酒造所の代表。

  • 保久村 将貴
    酒造製造責任者
    酒造所製造責任者、15年前より先代とともに酒造りに従事、酒造りへのこだわりは先代譲り。島の商工会青年部にも所属。

  • 保久村 貴洋
    製造および広報担当
    酒造製造および広報を担当。5年前より酒造りに従事、SNSを通して島の魅力や島の自然も発信している。

会社情報

会社名 株式会社 伊平屋酒造所
所在地 〒9050703沖縄県島尻郡伊平屋村我喜屋2131-40
営業所 浦添営業所
〒901-2127沖縄県浦添市屋富祖3丁目1−11
事業内容 酒類の製造事業
設立
 1948年4月
代表者 保久村政代
加盟団体 沖縄県酒造組合 (https://okinawa-awamori.or.jp/)沖縄県酒造協同組合
営業時間・ショップ情報 営業時間:10:00~16:00

定休日:土・日